ドラゴンボールはいつ終わるか?

永田雄治郎 著 1994年5月発行(発行:風塵社 発売:パロル舎)

ドラゴンボールを、少しばかり学術的に読み解こうと試みた作品。

民族学的な視点や古典「源氏物語」との対比を取り入れた物語論、登場人物を個々に取り上げた人物論、どんどん強くなる力の論理に経済学を当てはめた考察などがある。人物論にベジータがなかった物足りなさと、結論が見えて来ないもどかしさはあるものの、なかなか興味深い一冊。

「ドラゴンボール」を表題に冠した本で目にしたのは、謎本以外で唯一これだけでした。
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# by hitokohon | 2002-08-01 19:47 | 漫画・アニメ関連

アニメの醒めない魔法

サブタイトル:ドラえもんからセーラームーンまで、アニメトラウマ構造分析
高田明典 著 1995年10月発行 PHP研究所

アニメが子ども達の心に与える大きな影響について、恒常的アニメ視聴者である世代の人々や、教育関係者、またアニメ制作者に向けて、その重要性を再確認してもらおうというもの。

ドラゴンボールZにつては、第7章「大人になるという構図」の中で<成長と克己>と題して取り上げている。

「父親不在」の時代/「ドラゴンボールZ」の表層構造/「ドラゴンボールZ」の深層構造/「悟空と敵」双方への自己投影/暴力的攻撃の影響

の項目に分けて、悟空の「母性」「成長への力」と敵の「父性」「成長の拒否」を対比させながら、多くの壁を克服する物語の構造ついて説明されている。
また最後に暴力的攻撃の悪影響について懸念し、有意義な終幕を期待する、と結んでいる。
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# by hitokohon | 2002-08-01 19:44 | 漫画・アニメ関連

「少年ジャンプ」の時代

斎藤次郎 著 1996年10月発行 岩波書店

子どもと教育シリーズの一冊。
漫画は子どもの夢の器。「ハレンチ学園」から「ドラゴンボール」まで、少年ジャンプの漫画を読むことによって、30年の子どもの精神史を読みとろう、というもの。

第8章に、「ゲーム時代の想像力」と題して、ドラゴンボールが紹介されている。

ドラゴンボール連載にあたって、「今回は話で勝負しようと思って」地味な主人公にしが、人気が出なかった。それで、悟空の「強くなりたい」気持ちを前面に出し、天下一武道会というアイデアが生まれた。

という、鳥山明氏の話を引用して、作者の意図と読者の期待に生じたズレについて語っていく。

ゲームの影響を受けて、ストーリー性が希薄になったとしても、漫画でなければ描けない夢がある。ドラゴンボールはその曲がり角に立っていた、と著者はいう。目新しい解釈ではないが、岩波書店からもこういう本が出ている事に時代を感じる。
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# by hitokohon | 2002-08-01 19:43 | 漫画・アニメ関連

日本ヒーローは世界を制す

大下英治 著 1995年11月発行  角川書店

世界に進出した、日本の特撮・アニメ作品、キャラクターについて作品ごとに紹介している。

 VOL.8に、『Dr.スランプ』に続いて
「ジャッキー・チェンから『ドラゴンボール』」と題して悟空誕生の経緯と作品の人気について語られている。

『ドラゴンボール』」以外にも、東映特撮・アニメ番組年表なども掲載していて、楽しめる一冊である。
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# by hitokohon | 2002-08-01 19:42 | 漫画・アニメ関連

かん子のミニミニまんが入門

赤木かん子 著 1995年8月発行  リブリオ出版

「図書館員のカキノタネ」というシリーズのパート1。図書館とマンガについて考えたい図書館員のみなさんの参考に、と書かれたマンガ講座の章もある。

『のらくろ』の田河水泡から始まり、手塚治虫、藤子不二雄、長谷川町子・・・、そして90年代に至るまで、少年マンガ少女マンガ取りまとめて、その歴史を辿りつつ作者と作品を紹介している。マンガ史入門としても、作品論としても楽しく読める。

「90年代は“癒し”がテーマ」という章には、「少年マンガの王者『ドラゴンボール』」と題して、現代の子どもたちのヒーロー悟空の魅力が語られている。
また、それぞれのマンガには最適サイズがあるが、図書館の事情も考慮して本のサイズも選んでね、という「文庫サイズのマンガ本」では、「『ドラゴンボール』みたいに1種類しか出てないものあるから」と例に上げながら「『ドラゴンボール』は絶対に必要です」と、図書館に置くことを薦めている。
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# by hitokohon | 2002-08-01 19:40 | 漫画・アニメ関連

漫画原論

四方田犬彦 著 1994年6月発行 筑摩書房

第1部は、漫画を漫画たらしめている固有の表現システムとはどういうモノなのか、について。
第2部は、漫画がある特定の主題をいかに異なった形で描いてきたか、について。
という2部構成で、新しい漫画批評をしていこうというのも。

『DRAGON BALL』については、第2部の中で「偉大なる旅行家の猿-『西遊記』はどう描かれてきたか」の1例として触れられている。冒頭の「諸星大二郎と鳥山明を同一の地平で論じるために、『西遊記』という切り口は充分に有効である…」という下りには期待してしまうが、その表現や内容を、諸星の『西遊妖猿伝』を重厚、DBを稀薄と言い切ってしまう所には、大いに疑問を感じる。

ただ、上記の章に関しては、青木七男『ひらがな さいゆうき』、手塚治虫『ぼくの西遊記』、杉浦茂『少年西遊記』などから赤塚不二夫『そんごくう』、漫☆画太郎『珍遊記』の他、東アジア諸国の西遊記漫画にまで言及しているのは興味深い。
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# by hitokohon | 2002-08-01 19:36 | 漫画・アニメ関連

オタク学入門

岡田斗司夫 著 1996年5月発行 太田出版

東大「オタク文化論ゼミ」のテキストにも使用された、オタキング岡田氏による、オタクの極意を学ぶ本。

というわけで、全編に渡って濃いオタクの視点でオタクについて語られている。
この中の「オタクの世界性」の章に、アメリカのオタク事情が紹介されており、ドラゴンボールにも触れている。DBキャラのコスプレをするアメリカのファンの写真も掲載されている。
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# by hitokohon | 2002-08-01 19:26 | 漫画・アニメ関連

マンガと日本人

サブタイトル:有害コミック亡国論を斬る
福島章 著 1992年11月発行 日本文芸社

著者の福島氏は、犯罪心理学や病跡学を専攻する学者で、昨今の若い世代の事件報道では、テレビにもよく顔を出している。

1990年代初頭、各地方自治体が青少年条例などで「有害図書規制」を定めた、いわゆる「有害コミック」騒動があった。ここで問題になったのは主に性的表現についてであった。本書もはそれを受けて、コミックの性表現が本当に「性非行・性犯罪」の増加に影響するのか、という事を論じている。

第2章「マンガの発祥と弾圧の歴史」で、「マンガの多様化・・・驚異的な出版の増加とその影響」と題して、当時の人気マンガについて触れている。そこに心理学者・関根剛氏による、大学生・専門学校生を対象とした「マンガ作品の知名度と愛読度」調査の結果が出ている。(『青年心理』90年7月号発表)

それによると、『ドラゴンボール』は、男子学生の知名度では93.7%で1位、愛読度は36.1%で4位(ちなみに1位は『こち亀』51.4%)。同じく女子学生の知名度では88.5%で5位(1位は『タッチ』98.6%)で、愛読度0%(1位は『ちびまる子』46.0%)であったという。ファンとしては女子の愛読度0%は悲しい。(何処の学校を調べたんでしょうね)

また、第3章「性的情報と性犯罪との関連性」では、「韓国の現状」と題した中に、海賊版で出回っている『ドラゴンボール』について触れている。少年少女には大いに人気を博している一方で、エッチな描写があるとか、暴力的で残酷であるなどの点で激しく避難されており、ある新聞では、この作品を読むことを社説で厳しく戒めているという。

DBに関してはこれくらいだが、巻末資料の「性にまつわる事件・裁判・風俗」の年表なども興味深い。
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# by hitokohon | 2002-08-01 19:24 | 漫画・アニメ関連