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2016年11月に読んだ本。

11月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2327
ナイス数:110

東京會舘とわたし(下)新館東京會舘とわたし(下)新館感想
下巻は、昭和40年代に新館に建直されてから、更にまた建直しの為休業に入った昨年までの物語。旧館での亡き夫との思い出を新館に見出す女性。會舘でディナーショウを行う越路吹雪と従業員のふれあい。東日本大震災の日と會舘クッキングスクールの生徒たちの人生。直木賞作家の親子関係と會舘、そして作家が東京會舘を題材に小説を書こうと取材に訪れるエピローグにつながる。歴史は人の思いの積重ね、それがしみじみと伝わってくる作品でした。
読了日:11月29日 著者:辻村深月

わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)感想
いま日本社会全体が「異文化理解能力」と「日本型協調圧力」のダブルバインドにあっている。場に合わせて察する力を要求される一方で、日本では説明しなくてもわかってもらえる事柄を、その虚しさに耐えて説明する能力が要求される。「伝えたい」という気持ちは「伝わらない」という経験からしか来ないのではないか。まさに「みんなちがって、みんないい」んだけど「みんなちがって、たいへんだ」ってこと。短期間に集団でイメージを共有しコンテクストを擦りあわせるノウハウを持っている演劇の有用性、説得力があると思った。
読了日:11月26日 著者:平田 オリザ

東京會舘とわたし(上)旧館東京會舘とわたし(上)旧館感想
帝劇近辺には何度か行ったが、東京會舘を知らなかった。ひとつの建物の歴史が、関わった人々の人生模様とともに語られることで奥深い物語になっていく。丸の内周辺には明治大正の歴史的建造物が多く残るが、帝劇が比較的新しい建物に見えたのは、空襲で焼けていたからなのか。知らなかった。これまで読んだ辻村作品とはひと味違う趣だったが、とてもよかった。
読了日:11月24日 著者:辻村深月

下鴨アンティーク 神無月のマイ・フェア・レディ (集英社オレンジ文庫)下鴨アンティーク 神無月のマイ・フェア・レディ (集英社オレンジ文庫)感想
古い着物や装身具に宿っている人の想いの物語。今回は鹿乃と慧の家族にまつわる品物がお蔵から出された。鹿乃の曾祖父母のお話は、鹿乃兄妹と慧が住む洋館とお蔵も登場して、現在に受継がれる気持ちを優しく感じた。
読了日:11月21日 著者:白川 紺子

応天の門 6 (BUNCH COMICS)応天の門 6 (BUNCH COMICS)感想
市井の実力者昭姫さんの知人らしき謎の女性寧様の正体は? ずごく続きが気になっていたが、唐の後宮から逃れてきた人だった。唐も終末期に突入、道真の今後とも無関係ではないか…。学問好きで唐の文化に憧れる道真はその人物に興味を持つが、業平が気付いた本当の正体はわからなかった、知識だけでは得られない経験の不足(笑) けれど知った後は、それを逆手に取り業平を利用して寧様の窮地を救う。師匠島田忠臣と阿呼だった子どもの頃の話にも、クールであつい道真の性格が現れていた。忠臣が藤原基経に近くなって行く心情も少し解った。
読了日:11月16日 著者:灰原 薬

イシュタルの娘~小野於通伝~(14) (BE LOVE KC)イシュタルの娘~小野於通伝~(14) (BE LOVE KC)感想
ついに大阪の陣も終結。お通も色々と手は打ったが、幸村は討死し、淀殿と秀頼も亡くなった。結果はわかっていても悲しい。亡き夫の夢をみたてそちらに行きたいとも思い、自分は年をとった(見た目は全く変わらないが)と、言わば隠居したい様な気持ちになっているお通なのに、徳川家から和子姫入内の介添えという更なる大変な役割を押し付けられる。戦のない世の中になったはずが、まだまだ権力闘争は続いていた。大河ドラマも終盤となる季節、ちょうど本作と大阪の陣がかぶりましたね。大河にも八木亜矢子さんの演じるお通さん登場しました!
読了日:11月13日 著者:大和 和紀

ばけもの好む中将 伍 冬の牡丹燈籠 (集英社文庫)ばけもの好む中将 伍 冬の牡丹燈籠 (集英社文庫)感想
宗孝の十二の姉君と春若こと東宮様の恋の進展は? が気になって続きが楽しみだった。あの弘徽殿の女御が母后であるのに、ちょっとおバカだけど健気で元気なお子様である春若君、なんか憎めない。伊勢物語になぞらえた危険な逢瀬に挑む行動力、それを受け入れてしまう十二の君。案外お似合いなのだけど。一方の初草の君にも幸せになってほしい。みんなに幸せな未来はあるのか…。今回は最初に謎解きありきの怪が多かったが、怪を求める中将の気持ちや、初草の両親に手紙など、人間関係の謎も少しずつ語られて更に先が楽しみ。
読了日:11月12日 著者:瀬川 貴次

B級グルメ倶楽部 5 小冊子付限定版 (ダリアコミックス)B級グルメ倶楽部 5 小冊子付限定版 (ダリアコミックス)感想
シミズ屋のカレーパンが縁で親しくなり今日に至る鬼塚と吉野。それぞれの家族や知人の問題に振り回されながら、二人の関係にも変化が。コメディタッチの展開の中に、自分らしく生きる大変さや勇気の必要性なんかも描かれて、ちょっと考えさせられる。今回も時折例のカレーパンは登場したけれど、それ以外B級グルメとは何の関係もない話だなぁ、と思ったらあとがきにそのタイトルの話があって笑った。
読了日:11月08日 著者:今 市子

ギケイキ:千年の流転ギケイキ:千年の流転感想
派手な色合いの表紙にカタカナのタイトル、書店で目に付いたのに一瞬「義経記」であることを見逃しそうになった。町田さん初読み。「泣き虫弱虫諸葛孔明」に馴染んでいなかったら付いて行けなかったかもしれない、ハチャメチャ現代語の語り口と登場人物人物たち。時代劇で多くの俳優さんが義経を演じておられるが、宮藤官映画のイメージからか「平清盛」の神木隆之介義経を思い浮べてしまった。六韜の話が長くて「進行遅っ」と思ったていたら、頼朝に会う前に終わった…。まだ文藝誌上で連載続いてるらしい。単行本で続き読めるのは何年後かなぁ。
読了日:11月06日 著者:町田 康

やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人感想
GHQの呪縛から解き放たれ自主憲法をと言うけれど、要は中国に睨みを利かすアジアのリーダーたれって事じゃないの? と思いつつも自衛権を行使するための法整備は確かに必要だと思う。シールズは若いから仕方ないとしながら、著者が大人リベラルを批判するのはわかる。たしかに感情論だけでは何も解決しない。しかしそれは有事における政権に対する不信と不安だと思う。単に平和ボケと一蹴しないでほしい。古の白村江の戦いは集団的自衛権の行使だったのだろうし、大東亜戦争も最初はそうだったのでは。その泥沼化に歯止めを有する法整備を望む。
読了日:11月01日 著者:ケント・ギルバート

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by hitokohon | 2016-12-01 09:52