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2015年8月に読んだ本②

2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:13冊/23冊
(後半8/16から)

保育園義務教育化保育園義務教育化感想
ご本人出演のTV番組で紹介されていて、まだ子育てとは縁遠そうな方の著書である事に興味を持った。生きる力ともいうべき「非認知能力」は人と関わる事で培われ、乳幼児期ほど身につく。質の高い乳幼児教育を全ての子どもにうけさせることができれば「社会全体のレベル」を上げ、乳幼児教育にお金をかける方がコスパがいい。また、育児不安による虐待の可能性は子どもと離れる時間がある方が低い。専業主婦家庭も保育園を利用できれば良い。3歳児神話、母乳育児、母性本能、若い男性にこれからが母親を追い詰める事に気付いて頂けてたのは嬉しい。
読了日:8月30日 著者:古市憲寿
「あの戦争」を観る! 戦争映画大特集 【文春e-Books】「あの戦争」を観る! 戦争映画大特集 【文春e-Books】感想
週刊文春2015年8月 13・20日合併号掲載記事の電子化。映画「日本のいちばん長い日」で鈴木貫太郎首相を演じた山崎努さんと原作者半藤一利さんの対談。春日太一さんと町山智浩さんによる「あの戦争」を描いた映画の紹介と解説。映画での戦争の描かれ方にも時代の流れがある事、自分がほとんど知らないヨーロッパでのドイツ軍との攻防戦を題材にした映画も多くある事を知る。「プライベート・ライアン」がノルマンディ上陸作戦、「灰とダイアモンド」がポーランド戦など、題名は知ってたが内容が第二次大戦とは知らなかった洋画もあった。
読了日:8月30日 著者:半藤一利,山崎努,春日太一,町山智浩
死者の書死者の書感想
近藤ようこさんのコミックを読んで再読。何年ぶりだろう。初読時、彼の人が大津皇子だという以外、藤原南家の郎女が誰の娘なのか、時代がいつで他の登場人物が誰だったかもわかっていなかった。今回あらためて家持周辺の描写で世俗的時代背景が色々に語られていた事に驚いた。前よりわかったのは「天上の虹」をはじめとする里中作品を読んだおかげ。そして郎女の思いは、知識を得たことによる内省の深まりと求道だと思っていたが、彼の人に惹かれる気持ちは、もはや「恋慕」に近いものだったのだなぁ。郎女は阿弥陀如来の来迎を得たのか、それとも?
読了日:8月28日 著者:折口信夫
街から子どもがやってきた街から子どもがやってきた感想
3年前の夏、パルテノン多摩ミュージアムで偶然この展示を見た。最初東京多摩地区の子どもたちは何処へ疎開したのかな? と思って見始めたのが、学童疎開したのは品川の子どもたちで疎開先が多摩だったのだ! この展示にあった稲城・多摩だけでなく、都心からの集団疎開は多摩地区全域に渡っていたそうだ。 子どもたちは各所の寺に分散して暮らし、ホームシック・空腹・ノミシラミ、経験のない水汲み洗濯などの苦労をした。その上焼夷弾でその寺が焼けたり、八王子の疎開先では機銃掃射で亡くなった子たちもいたそうだ。品川の校舎は空襲で全焼。
読了日:8月25日 著者:パルテノン多摩
死者の書(上) (ビームコミックス)死者の書(上) (ビームコミックス)感想
折口信夫の「死者の書」を読んで、いにしえの深層の姫君であるヒロインが、滅多に人に姿を見せず自分の意見も言わない、というのが一般の歴史小説と違っていたのが印象的。郎女の思いが中心の作品なので、既に亡くなっている彼の人が大津皇子だという以外、時代背景がよくわからなかった。それがこの作品で郎女の親戚関係や一族の立場など、初めて理解する事が出来た。彼の人か仏かという来迎の場面が、イメージどおりで折口作品を読んだ昔を思い出した。原作の方もまた読んでみたくなった。後半楽しみ。
読了日:8月25日 著者:近藤ようこ
ましろのおと(14) (講談社コミックス月刊マガジン)ましろのおと(14) (講談社コミックス月刊マガジン)感想
青森の大会に出ている兄若菜と弘前の大会の雪。二人は同じくお祖父ちゃんの演奏に接していたがそれぞれにタイプの違う演奏家、自分らしい納得のいく演奏をしてほしい。弘前の田沼と神木清流、雪らも含めまだ若い人々だけど、人に歴史有りでした。神木清流、そんな苦労人だったとは! 偶然にであった津軽三味線から力をもらったのね。次は雪の演奏。
読了日:8月25日 著者:羅川真里茂
日輪の遺産 (講談社文庫)日輪の遺産 (講談社文庫)感想
予備知識なく映画を見て、舞台のモデルが自分も入った事のある米軍施設(旧日本軍多摩火工廠 )である事に驚き原作を読んだ。物語はフィクションだが、それをきっかけに火工廠関係の資料、東京の戦跡やM資金関連の本も読んだり、あの戦争が残したものが案外身近にある事を知った。それにしても少女たちの健気さが切ない。あらためて彼女たちに最後の決断をさせた大人たちの責任の重さを思った。4年ぶりに再読。
読了日:8月24日 著者:浅田次郎
夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)感想
初めて読んだのは10年前でした。「夕凪の街」は原爆投下から10年経った広島を舞台に、とりあえずあの日を生きのびた人々のその後を描きながら、戦争と原爆がその後も人々を苦しめ続ける現実を問いかける物語です。「桜の国」は更に年月を経た続編です。原爆症への不安を抱えながら、発病の可能性がある人への差別や偏見とも向き合わなければならない苦しみを、日本が戦後の復興に向かって行く中で、10年も経って突然原爆症で命を落とした女性や、更に歳月を経て発病した女性とその子ども達を通して描いています。読み継いで欲しい1冊です。
読了日:8月22日 著者:こうの史代
ひそひそ-silent voice- (5) (シルフコミックス)ひそひそ-silent voice- (5) (シルフコミックス)感想
物の声が聞こえる能力の事を両親に話そうと実家に帰る光路。あまりにも身近な存在であるだけに本当の事を言うのに勇気がいる、やっと決心できてよかった。大地との交流が力になってる。光路を慕う大地も愛しくて、ジンと来た。
読了日:8月22日 著者:藤谷陽子
あめつちだれかれそこかしこ 2 (アヴァルスコミックス)あめつちだれかれそこかしこ 2 (アヴァルスコミックス)感想
青司くん入学式まだだったんですね。入学おめでとう。高校生活に馴染めるのか心配でしたが、孤立しても気に病まないタイプで、そこは安心したけども少し皆んなと歩み寄れたらいいね。酒井くんとは何やら上手くやっていけそうで、嬉しい。年神様と納戸さんとの生活には慣れたと思ったら千客万来、神様の眷属のような方々だけど、有難さより迷惑だわね、と私も思う。でも彼らが青司くんと人との縁も結んでくれる事に期待しよう。
読了日:8月22日 著者:青桐ナツ
十二月八日と八月十五日 (文春文庫)十二月八日と八月十五日 (文春文庫)感想
太平洋戦争開始の1941年12月8日と玉音放送の1945年8月15日、この2日に焦点を絞り日記その他に残る当時の人々の反応を示す事で、国家と国民・戦争と平和について考えさせられる1冊。若い時に「カミング・ウォー・ウィズ・ジャパン」を読んで大陸進出への経済制裁が日本を太平洋戦争に向かわせたと知ったが、開戦への人々の思いを本書で初めて知り、強引な政策が民心を追い詰める怖さを感じた。玉音放送に人々が色々な意味で涙した事も同様。敗戦ではなく終戦、その意味を心に刻もう。末長く敗戦国としての戦後が続きますように。
読了日:8月20日 著者:半藤一利
恋と軍艦(8)<完> (講談社コミックスなかよし)恋と軍艦(8)<完> (講談社コミックスなかよし)感想
香菜ちゃんの町長への片思いから始まった物語、完結。年上の男性への憧れは、両親との関係や、若者らしい社会貢献への理想、ちょっと背伸びしたい自分だけの価値観へのこだわりなど、中学生の彼女が通過すべき成長の過程だったのかな。それは篠原さんの入市さんへの憧れもそうかな。経済政策や入市との関係で町民からの支持を失った町長が、町民への思いを理解されたのは良かったけど、結局入市との関係は受け入れられないまま出て行ってしまったのは残念。でも町長は香菜ちゃんに地に足の着いた生き方を授けて去る役目だったのかもしれない。
読了日:8月19日 著者:西炯子
多摩火工廠 勤労動員日記多摩火工廠 勤労動員日記感想
浅田次郎著「日輪の遺産」のモデルにもなった日本軍の弾薬工場に勤労動員された女学生の挿絵入り日記。著者は昭和6年生まれ、動員されたのは今の中学生の年齢だった。当時住んでいた立川周辺にも空襲があり度々警報により避難した事、工場での砲弾作りはマスクをしても粉が口に入って苦かったが、慣れてきて日々作業を頑張っていた事、度々体調を崩していた事、終戦の日の事など、戦時下の大変さがわかる。一方で友人や家族とのやり取り、勉強や遊びの事など、女学生らしい日常も多く綴られている。戦後英語の授業が増えた様子も印象に残る。
読了日:8月16日 著者:北島みさを

読書メーター

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by hitokohon | 2015-09-01 19:30 | 読書メーター

2015年8月に読んだ本①

2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:10冊/23冊
(前半8/15まで)


カブキブ! (3) (角川文庫)カブキブ! (3) (角川文庫)感想
カブキ同好会、みんな一所懸命で楽しそうだ。クロくんが設立を思い立ったカブキ部への道もここまで来たのね、と読者も一緒にワクワク出来るお話だ。新入生歓迎会での部活紹介の舞台、男子体操部との共演と、アクシデントからついに蛯原くんへ協力依頼、クロくん達は真っしぐら! 五人男のセリフは思わず節をつけて音読したくなった。何やら異色の新人さんが入部希望のようで今後が更に楽しみ。次巻は来月末発売予定らしいので、待ち遠しい。
読了日:8月15日 著者:榎田ユウリ
カブキブ!  2 (角川文庫)カブキブ! 2 (角川文庫)感想
文化祭へ向けて、カブキ同好会の面々の頑張りが、大変そうだけど楽しそう。クロくんは阿久津くんの扱いが上手くなってたと思います。部長としても成長してます。演劇部のキリコさんも押しの強さだけでない、中々の人物でした。プロの歌舞伎役者である蛯原くんの動向や、阿久津くん母子と歌舞伎の関係、先が気になる展開です。
読了日:8月13日 著者:榎田ユウリ
日本人の知らない日本語2日本人の知らない日本語2感想
友人に貰いました。本当に知らない事も多かったです。伝統色名とか殆どわからず。ら抜き言葉・「レ」タス・「サ」イレ言葉の発生について、なるほどでした。干支が中国韓国以外の多くの国にあるというのも知りませんでした。面白かったです。
読了日:8月11日 著者:蛇蔵,海野凪子
昭和元禄落語心中(8) (KCx)昭和元禄落語心中(8) (KCx)感想
先代助六とみよ吉の事故死の真相って、そういう事だったのか。落語家とし、幼い小夏の親代わりとして、八雲師匠の負ってきたものの重さを思うと、病を得て引退を考える心情がいっそう辛い。与太助六の明るい思いやりに救われる。いい奴だなぁ。そして、落語に興味を持ち、本当のじいじ先代助六に似てくる信ちゃんが可愛い! 彼が八雲師匠の励みになるとよいのだけれど。
読了日:8月9日 著者:雲田はるこ
文藝春秋2015年9月号特装版 (文春ムック)文藝春秋2015年9月号特装版 (文春ムック)感想
羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」と復刻芥川追悼号を読みたくて購入。17才で「黒冷水」を書いた羽田さんが30才になって家族をどう描いたのか、読むのが楽しみだった。老人介護という重い現実で家族3人がそれぞれに自己中なのに、何処かで思い合っていて暗くない。職探し中の健斗28才、祖父が望んでいる安楽な死に向けての介護方針と、そこから逆説的に生まれた自身を鍛える姿勢がユニーク。甘える父親を時に罵倒する母、同世代として共感(笑) 止めろと言われても娘を「お母さん」と呼ぶ愚痴老人の祖父も何だか可愛い。
読了日:8月9日 著者:
或阿呆の一生或阿呆の一生感想
文學界掲載の又吉さん「芥川龍之介への手紙」に、この作品の「火花」が引用されていたので再読。芥川読むの何年ぶりだろう。彼の作品には日本の古典を題材にしたり、中国を舞台にしたものも多いのに、影響を受けたのは海外の作品なのだな。そこに大正という時代を感じた。他者を軽蔑し、更にそんな自分を軽蔑して阿呆という「彼」。公言できない本音を偽悪的に語るニヒリズムに若い時は惹かれた。そのわりに家族を顧みず放蕩したり逃避したりは出来ず、自分を追い詰める優等生の「彼」。阿呆に成り切れなかったから辛かったのかもしれない。
読了日:8月8日 著者:芥川竜之介
下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ (集英社オレンジ文庫)下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ (集英社オレンジ文庫)感想
亡き祖母が蔵に残したいわく付きの着物を巡る物語の続編。前巻は着物の話だけだったが、今回表題作は古物商である良鷹が関わったお蔵所蔵以外のアンティーク物の話。ちょっと驚きの結末だったが、アンティークに心を残した人々に歴史あり、あの時代だったから起こってしまった悲しい出来事と、今に伝わる思い、いいお話だった。
読了日:8月8日 著者:白川紺子
下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)感想
ナツイチで知ったこのシリーズ、お蔵のアンティーク着物にまつわる謎解きに心惹かれて読んでみたが、古典も絡んで面白かった。若いのに着物を着こなす鹿乃ちゃん、物語をテーマにコーディネート出来るなんて素敵。これから始まりそうな恋の行方も気になるし、続きも楽しみ。
読了日:8月6日 著者:白川紺子
鍵のない夢を見る (文春文庫)鍵のない夢を見る (文春文庫)感想
「仁志野町の泥棒」「石蕗南地区の放火」「美弥谷団地の逃亡者」「芹葉大学の夢と殺人」「君本家の誘拐」。堅実に普通に生きているように見える女性たちの心に潜む、エゴや不安から生じるいびつな欲望。犯罪への奇妙な親和性がちょっと恐ろしい短編集。同郷の林真理子さんとの直木賞受賞記念対談も収録されている。
読了日:8月3日 著者:辻村深月
五重塔五重塔感想
イベント「タイムスリップ!課題図書~」で高校時代以来の再読。職人として技と名を残したい十兵衛の思いだけが印象に残っていたが、それに加え源太親方の人間的な逡巡と男気、二人の職人としての意地と矜持のぶつかり合いが、心に響くのだとわかった。それぞれに夫を思う女房たちの姿や他の職人たち、上人様の態度やお言葉など、人情の機微がまた良い。記憶していたより文語調であったが、登場人物の心の有り様を流れる様に物語っているので、難しい文章とは記憶に残らなかったのだと思う。
読了日:8月2日 著者:幸田露伴

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by hitokohon | 2015-09-01 19:25 | 読書メーター