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ヒカルの碁 (全23巻)

ほったゆみ 原作 / 小畑健 絵 1999/4/30 第1巻発行 集英社ジャンプコミックス
週刊少年ジャンプに1999年2・3合併号から2003年4月まで連載され、 2001年10月~2003年3月までTVアニメも放映された(首都圏はTV東京にて)囲碁漫画。

主人公進藤ヒカルは、小6のある日、祖父が所有している古い碁盤を見つけ、そこに宿っていた霊の声を聞く。声の主は平安時代の碁打ち藤原佐為。志を半ばにして無念の死を遂げた、虎次郎こと本因坊秀策にも取り憑いていた事もある彼の魂は、千年の時を経てヒカルの内に蘇り、再び碁を打ちたいと強く願った。不本意ながら佐為に協力し碁の対戦相手を探すヒカルだったが、碁盤を挟んで対峙した同い年の塔矢アキラが見せる鬼気迫る眼差しと出会い、自らも碁を打ちたい、アキラと自分の実力で向き合いたいと願うようになる。そしてヒカルは、プロ棋士を目指すことに・・・。

とにかく、ヒカルとアキラのライバル関係に佐為を交えた三角関係(?)が見所です。同世代に敵無しと思っていた囲碁の天才少年アキラは、ヒカル(実は佐為)に一刀両断の敗北を喫する事で、自らの内に秘めていた激しい闘争心に目覚めます。ヒカルもまたそんなアキラに触発され、佐為の身代わりではなく、自分自身として真剣に碁を打ち、自分の実力でアキラに勝ちたいという強烈な願望を持つようになります。そして、ヒカルは自身として幾多の対局を経験し、プロ試験に合格する程の実力をつけて行きます。一方佐為は、生身の肉体を持てないが故に、ヒカルの成長に反比例するように自身としての対局の場が得られなくなって行き、未来あるヒカルに嫉妬し、自身の存在意義に不安を覚えます。

ヒカルに呼び寄せられるように現世に復活した佐為。佐為でもあるヒカルの存在によって本性を剥き出しにするアキラ。アキラに出合い佐為に導かれて魂の希求するものを見つけたヒカル。それに加えて、佐為に対局させるためにヒカルが考えたネット碁の「sai」の謎めいた存在。三者が互いに影響し合って高められ、同時に互いを意識する事で他者に譲れない自分を見出し、全力で進んで行く姿に、少年漫画の醍醐味を感じます。
また、下はプロ棋士を目指す小学生のフクこと福井君から、上は老人の域に達している桑原本因坊やヒカルの祖父まで、多彩な登場人物が物語に深みを与えています。

その成長過程の面白さと、個性あふれる登場人物の魅力で、囲碁に興味が無い読者でもどんどん作品世界に引張り込まれて行きます。囲碁を全く知らなくても、ヒカルとともに囲碁とは何かを知り、ヒカルの様には囲碁が上達しなくても、囲碁に興味を抱いてしまう作品です。この作品を読んで囲碁を打つようになった読者も多くいると思います。囲碁なんて全く知らなかった小さな子ども達もまた、TVアニメの最後に毎回放送されていた梅沢由香里先生の「GOGO囲碁」を見て、囲碁を打つようになりました。
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by hitokohon | 2004-07-01 16:01 | 漫画・アニメ関連

超カンタン囲碁入門

武宮正樹 著 2002年11月 発行 金の星社

プロ棋士武宮正樹九段による囲碁入門書。子どもにも読めるように全頁ルビ付きで、解りやすい文章で書かれています。1200円(+税)と入門書としては少々高いかなとも思いましたが、A5板ハードカバーで図も見やすく、欄外の「囲碁おもしろ用語」「囲碁ことわざ」解説も面白いです。
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by hitokohon | 2004-07-01 15:59 | 囲碁関連

子どもと始める囲碁

安田泰敏 著 2002年8/6 発行 岩波アクティブ新書

幼児に指導している経験を生かして、プロ棋士安田泰敏九段が書いた親子で始める囲碁入門書。碁盤を持っていなくても、自分で入門者用の九路盤を作ってみよう、という導入が他の入門書と少し趣を異にしています。私もこれを読んで30cm四方の安い板を買って九路盤を作ってみました。大人には囲碁にまつわるコラムも面白いです。
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by hitokohon | 2004-07-01 15:57 | 囲碁関連

完本 本因坊秀策全集 全5巻

福井正明 著 1996/11/12 発行 誠文堂新光社

古典研究にも熱心なプロ棋士福井正明九段がまとめた本因坊秀策の棋譜集。まだ安田栄斎と名乗っていた天保10年11歳の時の棋譜から紹介されています。

本因坊秀策は『ヒカルの碁』のアニメ化によって、小さな子どもにもその名を知られるようになった江戸時代の棋士で、「碁聖」と呼ばれた人です。1829年広島県因島の生まれで幼名を桑原虎次郎といい、母から囲碁の手ほどきを受けました。三原城主浅野忠敬に碁の才を認められ、父の実家の安田姓を名乗り仕えるようになります。その後囲碁修行のため江戸に出て、本因坊丈和に弟子入りしました。20歳で十四世本因坊秀和の跡目となりますが、十五世を継ぐ事なく、34歳の若さで亡くなっています。

第一巻の「序」によると、日本史上「碁聖」と呼ばれた4棋士は、延喜の寛連、元禄の本因坊道策、文政の本因坊丈和、嘉永の本因坊秀策であり、その中でも秀策の碁は「美」の一言に尽きるということです。棋譜を見ても私にはそこまで感じる事はできませんが、碁の解る方には一見の価値があると思います。ただ、この本は全5巻で38000円と大変高価なので、図書館で探してみて下さい。私も地元図書館で偶然見つけてこの本の存在を知りました。

日本棋院から出版されている「古典名局選集」に福井九段著の『秀麗秀策』がありますが、こちらは1200円と購入可能なお値段でした。このシリーズには『玄妙道策』酒井猛著、『剛腕丈和』高木祥一著などもあります。
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by hitokohon | 2004-07-01 15:54 | 囲碁関連

囲碁の初歩の初歩

菊池康郎 著 金園社発行 2003年5/20 46版(1980年10月初版?)

囲碁研究団体である緑星会や緑星学園を主宰し、囲碁界の発展と後進の育成に尽力している菊池康郎アマ名人による入門書。とにかく一局打てるまでを解説してくれています。

他の入門書2冊を先に読んで、全くの入門者から次のステップに行きたいなぁ、とこの本を購入したのですが、私はまだまだマスターしておりません。
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by hitokohon | 2004-07-01 15:53 | 囲碁関連

囲碁界の真相

石田章 著 2003/07/23 発行 河出書房新社

日本囲碁界はなぜ韓国、中国に遅れをとったのか、日本の若手たちは世界を舞台に戦えるのか、などの囲碁界の様々な問題や、若手からベテランまでの棋士たちの人物評など、プロ棋士石田章九段が少々辛口の批評を交えながら語っています。

囲碁の認知度の低さやタイトル戦の賞金について、経済的にも豊かになった成熟社会で子どもたちが1つの目標に向かって邁進して行く事の難しさなど、日本社会の持つ問題点を指摘しています。そこに生じる「ハングリー精神の低下」は、囲碁に限らずあらゆる部門で問題になっている様に思います。

それから、羽根直樹、山下敬吾、張栩という若手トップ棋士や、小林光一、趙治勲をはじめとするベテラン棋士たちの人物評も興味深いです。例えば、NHK囲碁講座の講師をされるなど囲碁普及に尽力する白江治彦七段の自他に厳しかった若き日の精進ぶりなど、テレビ画面で見る印象からは想像し難いものです。
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by hitokohon | 2004-07-01 15:52 | 囲碁関連

昭和囲碁風雲録 上下2巻

中山典之 著 2003/6/19 発行 岩波書店

日本棋院の誕生から、木谷実・呉清源の新布石による革新、数々の棋戦を舞台にした名勝負など、波瀾万丈の昭和囲碁史をプロ棋士中山典之六段が描いています。

なんというのか、中山さんの語り口は、血湧き肉躍るような、囲碁はこんなに面白い、人間はこんなに愛おしい、と伝えたい思いがみなぎっているような気がします。囲碁はあまり打てないけれど、囲碁界の歴史に興味がある方にはお薦めです。

昭和20年8月6日、爆心地広島市街より10キロほどの所で打たれた、第三期本因坊戦、橋本昭宇本因坊と挑戦者岩本薫七段の対局についても触れられています。囲碁を通じて昭和史の一端を知る事にことも出来ます。
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by hitokohon | 2004-07-01 15:51 | 囲碁関連

完本実録囲碁講談

中山典之 著 2003/4/16 発行 岩波現代文庫

日本棋院機関紙『囲碁クラブ』に1975年8月号から1977年正月号まで連載した随筆をまとめた『実録囲碁講談』(1977年日本経済新聞社)に、未収録の『囲碁クラブ』誌連載6話を加えて再編集し文庫化された本です。

プロ棋士として記録係として、様々な対局に間近で接して感じた事、先輩棋士の思い出、後進の人々やアマ棋士とのエピソードなど、囲碁とそれにまつわる人間模様を書いた18話が収録されています。中山典之六段は1932年生まれで、プロ棋士となったのが29歳であったということもあるのか、棋士としてというより物書きとして何かを伝えたいという雰囲気があり、ちょっと古風な文体の中にも独特の熱さがある語り口で、読み物としても面白いと思いました。
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by hitokohon | 2004-07-01 15:49 | 囲碁関連

囲碁の力

石井妙子 著 2002年10/21 発行 洋泉社新書

本因坊戦の観戦記者やNHKの囲碁講座の司会を務めた経験を持つ著者が、「囲碁って何だろう?」と興味をもった超初心者、あるいは通りすがりの見学者の様な人に向けて書いた、面白くてためになる入門書です。

「囲碁を打つ」「囲碁を知る」「囲碁を考える」の三部から成っており、技術的な入門編から囲碁の歴史、囲碁界の現状と展望を解りやすく伝えています。碁を打てるようにはならなくても、これ一冊でちょっとした囲碁通になれそうです。
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by hitokohon | 2004-07-01 15:47 | 囲碁関連

ヒカルの碁勝利学

石倉 昇 著 2002/5/29 発行 集英社インターナショナル

『ヒカルの碁』のキャラクターやエピソードを導入にして、より深く囲碁の面白さを伝え、ライバル関係や上達法、勝負の場での心の動きなどを考えさせてくれる一冊です。著者の石倉昇九段は、元学生本因坊で大学卒業後銀行に就職した後にプロ棋士を目指した方です。

『ヒカルの碁』を全く知らないとよく解らない部分もあるかもしれませんが、『ヒカルの碁』について書かれた本ではなく、基本は碁と勝負の心得などについて書かれた本だと思います。
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by hitokohon | 2004-07-01 15:46 | 囲碁関連