カテゴリ:自伝・評伝( 2 )

映画監督五十年

内田吐夢 著 1968年10/15 発行 三一書房

古い本なので絶版になっていると思われる。図書館で見つけた一冊。
 『宮本武蔵』や『飢餓海峡』で知られる映画監督、内田吐夢の自伝。

もちろん映画監督としての話が中心だが、興味深いのは満映時代の回想記。終戦時、満映理事長だった甘粕正彦(映画『ラスト・エンペラー』では坂本竜一が演じて話題になった)の服毒自殺の目撃者にもなってしまった事や、その後帰国出来るまでの中国軍での生活なども語られている。国策として映画が利用された事実と、政治的なものを抜きにした中国映画人との交流も描かれている。
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by hitokohon | 2002-09-01 21:03 | 自伝・評伝

李香蘭 私の半生

山口淑子・藤原作弥 共著 1987年7/20 初版発行 新潮社
90年12月に新潮文庫版も刊行されています。

日中戦争最中の昭和10年代、「李香蘭」という中国名の満映スターであった、山口淑子の自伝。劇団四季のミュージカル『李香蘭』、何年か前フジTV系で放送されたドラマ『さよなら李香蘭』の原作でもある。日中の狭間で苦悩し続けた著者の青春から、若い世代にも、日中戦争とは何だったのか、世の流れの中で自分を見失わずに生きるとはどういうことなのか、を問いかける一冊。

国策として、終戦まで中国人女優「李香蘭」を演じさせられ、中国でも日本でも中国人と信じられていた著者。中国人なのに何故日本人に都合の良いような映画に出演するのか。中国の人々から非難を受け、彼らを騙し続ける事に耐えられず満映を去り、「李香蘭」を捨てる覚悟で上海に赴く。だが遂に望みを果たせぬまま終戦を迎える。

女優「李香蘭」として生きた彼女の苦悩、そして漢奸(中国人でありながら日本に協力した戦犯)容疑で拘束される日々‥‥。政治情勢に翻弄され消息不明となった親友のロシア人リューバとの友情と突然の別れ。図書館で出会い、自分でも本を購入し、読む度に涙してしまった。
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by hitokohon | 2002-09-01 19:07 | 自伝・評伝