カテゴリ:時事・流行・社会問題( 7 )

検索バカ

藤原智美 著
2008年10月10日発売 朝日新書140

------ 朝日新聞出版サイトの紹介 ------
情報社会の進展で、「思考」は「検索」に、「言葉」は「情報」に置き換えられてしまった。私たちは「考える力」を再生できるのか。さらに「空気を読め」という同調圧力が、自立した思考を奪っている。一個人として、世の中を生き抜く思索力とは何かを考察する。
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1992年「運転士」で芥川賞を受賞した小説家で、「暴走老人!」などのノンフィクション作品もある著者が、自らのネット体験を踏まえながら、人が生きていく上で、自分の力で「考える」ことがいかに重要を語っています。

日々ネットにアクセスすること、家族や地域・職場でのコミュニケーションのありかた、自分自身を省みつつ、考えさせられる一冊です。
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by hitokohon | 2008-11-02 17:13 | 時事・流行・社会問題

夫と妻のための 新・専業主婦論争

中公新書ラクレ編集部編 2002/3/25発行 中公新書ラクレ(中央公論新社)

ここ何年かの間に発表された、専業主婦をめぐる論評の抜粋を中心にまとめられた本。これ一冊で、現在の専業主婦論争を知ることをが出来る。

一昨年だったか、この本でも紹介されており、現代専業主婦論争の火付け役ともなった、石原理沙さんの「ふざけるな専業主婦」(現在、新潮OH!文庫からも刊行)シリーズと、その対極にあると思われる、林道義さんの「主婦の復権」(講談社)を読んだ。特に、パート収入しかなく、税金を払わないで夫の収入に頼って暮らしている、いわゆる専業主婦に属する私には、前者のタイトルはたいへん不愉快なモノだった。しかし、じっくりと読んでみると、内容は後者の方がずっと不愉快だった(笑)

「ふざけるな専業主婦」の方は、題名こそ「喧嘩売ってるのか?」と思うようなモノだが、その批判の矛先は、そう理不尽なモノではない。それは、働く主婦に批判的な態度をとることでしか、自らの正当性を主張出来ない専業主婦や、税金も払えない程度の仕事で、完全専業主婦に優越感を感じているようなパート専業主婦に向けられたもの。自分が選んでいる専業主婦という生き方には、自分自身で責任を持て、という主張であり、自戒とともに共感を得られるものだった。

そんな話も含め、もろ渦中の人間である私にとっては、とても考えさせられる一冊だった。表題にもあるように、夫にも妻にも、そしてこれから結婚を考える独身の男性と女性にも、ちょっとお勧めのテーマでもある。
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by hitokohon | 2002-12-01 00:00 | 時事・流行・社会問題

2ちゃんねる宣言 挑発するメディア

井上トシユキ + 神宮前.org 共著 2001/12/10発行 文藝春秋

別冊宝島REAL、特集アスペクトなどに共著もあるフリーライターの井上さんと、社会人ボランティアグループ神宮前.org(どっとおぐる)の共著。神宮前.orgは、地域の情報化を支えるNPO活動を軸に、神宮前・原宿へ向けて集まる"価値ある情報"を発信することを目的にしているグループで、2ちゃんねる管理人ひろゆき(西村博之)さんも参加している。

某ニュースキャスターに「便所の落書き」と称され、ネット慣れしていない人々にはインターネットの裏街道のような印象をも与える、巨大掲示板サイト「2ちゃんねる」。そこには300余りの専門板が存在し、推計300万人ともいわれる利用者が訪れて、玉石混交ではあるが活発な発言が繰り返されている。その発言や存在は、はたして、単なる「便所の落書き」なのか、クリエイティブなものなのか。「2ちゃんねる」って本当はどうなのよ? という疑問に、何とか答える糸口を引っ張り出そう、というのが本書の目的である。

「2ちゃんねる」前史から始まり、管理人ひろゆきさんへのインタビューによる、その成り立ちや運営の現状、維持の苦労などに至る話は、ビジネスでは成し得ない「ギブ&テイク」によるネット社会の広がりを実感させられる。しかし、サーバ維持管理費の膨大さなど、管理人の負担が大き過ぎるような気がするが、それでも出来る限りは続けていこうとする、ある意味非常に物好きな行動が「2ちゃんねる」を支えて来たのだ。

私自身は、ちらっと覗いた事くらいしかない「2ちゃんねる」だが、全く良い印象は持っていなかった。ここで自分のサイトについて書かれた為に、サイト閉鎖を余儀なくされた方の話を聞いたことがあるし、好きなライターさんの名前で検索し辿り付いた板での、その方や作品の酷い叩かれ様を読んだり、2ちゃんねらー風の荒らし書き込みに迷惑したことなどがあるからだ。しかし、それはあくまでも「2ちゃんねる」に集まる一部の人の問題であった。この本をよんで、「場」としての「2ちゃんねる」の存在や、匿名性の中から生まれる自己顕示欲のストレートな発露と自浄作用など、ネット社会の縮図として興味深い所があるのも知った。最終章、田原総一郎・糸井重里・山形浩生・宮台真司各氏とひろゆきさんの対談も面白い。

ついでに、インタネ関連で最近入手した本を紹介してみる。

「万有縁力 ネットの向こうに人が見える」
(EC研究会とってもe本プロジェクト 編著 2001/10/19 プレジデント社)
ネットを活用した縁結びの力を「縁力」と呼び、様々な切り口で個人レベルの情報発信をしている人々や、ネット配信ビジネスをする人々を紹介しながら、それが実現されていく可能性を探る。

「個人ホームページのカリスマ」
(金田善裕 著 2002/5/23発行 講談社)
個人で、一日に万単位の訪問者数のホームページを運営する14人の方々を紹介し、既存のメディアとは全く違った形で、個人が巨大メディアを持ちうる可能性について触れ、メディア新時代を語る。

「コンピュータユーザのための著作権&法律ガイド」
(プロジェクトタイムマシン 著 2002/9/30 発行 毎日コミュニケーションズ)
可愛いイラストキャラのQ&A形式による解説で、とてもわかりやすい
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by hitokohon | 2002-12-01 00:00 | 時事・流行・社会問題

世界がもし100人の村だったら

池田香代子 再話 C.ダグラス・ラミス 対訳  2001/12/11発行 マガジンハウス

インターネットのEメールによって世界に広まった、都市伝説ならぬネット民話(ネットロア)を、池田香代子さんが再話というかたちでまとめたのがこの本。昨年(2001年)の暮れに新聞記事で紹介されているのを読んでとても興味を持ち、今年最初に読んだ本でもある。

63億の人口であるこの世界を100人の村に縮めたら・・・・
「52人が女性です 48人が男性です 30人が子どもで 70人が大人です」

と始まるこの文は、色々な立場の人の人数を延々と書き連ねることによって、この世界の今の状況を伝えようとしてる。数字が、無機的なだけでなく、その表現方法によっては心に訴える説得力をも持つ事もあるのだと、あらためて感じさせてくれる作品だった。絵本のようになっており、お子さんにも読めるので、親子で読み、世界の中の「自分」について考えてみるのもいいかもしれないなぁ、と思った。中学生以上の方は、併記されている英文と読み比べて見るのも参考になると思う。またこの本は、今年前半のベストセラーのひとつでもあり、下記の続編も刊行された。

「世界がもし100人の村だったら2」 池田香代子&マガジンハスス 編
2002/6/13発行 マガジンハウス

こちらは、100人の村の原点だという「1000の村」に例え直すことで、より正確な人口分布を表現すると共に、様々な資料や解説によって、我々の住む地球村の現状をより詳しく伝えようとしている。「100人の村」の資料集として、中学生以上方に読んでもらえたらいいかなぁ、と思う一冊だ。
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by hitokohon | 2002-12-01 00:00 | 時事・流行・社会問題

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ

遙洋子 著 2000/1/20 発行 筑摩書房

新聞などを見ると、売り上げベスト10圏内に入って来るし、書評なども出ている話題本。売れ筋なので書店でも平積みになっているが、「上野千鶴子」と「ケンカ」が赤になっている表題が目を引くし、何より興味をそそられる上手い題名だと思った。

著者の遙さんは、関西を中心に活動するタレントで、仕事の傍ら以前から女性学を学んでいた。彼女の仕事は娯楽を売る事だが、シリアスな討論番組からバラエティーのトークショウまで、そこには避けて通れない議論があった。そこに対立が生じた時、論者の意見の根底に流れる「女は黙れ」のメッセージを、いつも気持ち悪く思っていた。そして彼女はいつも勝てなかった。

「確実に、的確に、瞬時に、相手に打ち勝つ方法を」彼女は探し、勝ち続けている人、社会学者の上野千鶴子に教えを乞う事にした。しかし、上野教授は「相手にとどめを刺しちゃいけません。」「相手をもてあそぶやり方を覚えて帰りなさい。」と言った。

そして、「ナショナリズムとジェンダー」をテーマにした上野ゼミ生活が始まった。上野教授は強烈だった。教室は四角いジャングル、学問は、議論は、格闘技だった!

「多く女性たちの日常の闘いに、フェミニズムを引き寄せたかった。」と語る遙さん。社会学とは枠組みを疑う訓練で、知は従順で素直な私を遠ざける、という事を学んだという。まだ読み始めたばかりだが、「女の敵は男」的フェミニズムの時代が去った今、フェミニズムに馴染まない私にも、考えるヒントとパワーを与えてくれそうな気がする本だ。


(追記)
  いや、学問って大変だわ!
  読みま終えました、この本。
  私は大学に行ってませんので、ゼミというモノを経験したことが
  ありません。ゼミってこんなに大変で恐怖なモノなの?
  徹夜で文献読んで論旨をまとめ、レジュメを作って発表に臨む。
  しかも教授には容赦なく質問責めされるのだ。
  恐るべし、上野千鶴子! しかし、上野教授ご本人の著書を
  読んだときより、ずっと上野千鶴子に好感を持ってしまった。

  尚、上野千鶴子著『ナショナリズムとジェンダー』は、
  1998年3月、青土社より刊行されています。
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by hitokohon | 2002-11-01 20:41 | 時事・流行・社会問題

片づけられない女たち

サリ・ソルデン 著(ニキ・リンコ 訳) 2000/5/31 発行 WAVE出版

本屋でこの本のタイトルを見つけた時「あー私の事だよ!」と思わず手に取ってしまった。
散らかす。なくす。忘れる。引き延ばす。遅れる。人間なら誰でも時にはそういう事もあるが、私は頻度が高いような・・・。訳者のニキさんも「時には」ではなくて「いつも」だったという。そしてアメリカで心理療法士をしている著者が書いたこの本に注目し、自ら翻訳することになったという。

片づけられない・・・という生活面でいささか困ったことになるこの状況が、実はADD(注意欠陥障害)という神経系の障害が原因になっている場合がある。そして世の中から、片づけ上手でこまやかな気配りが出来ることを望まれがちな女性たちは、男性よりもこの障害により自分を責め苦しむ度合いが高い。というのが本書の内容だ。
しかし、この障害を持つ人は、その事以外は障害のない人と能力の違いはないし、障害を理解し上手く対処すれば、片づけられない事があっても生活面や仕事でもその人なりの能力を発揮する事ができる、あきらめないで! とエールを送っている。

ううぅん、私の場合は単にズボラなだけかもしれない・・・(^^;)
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by hitokohon | 2002-11-01 20:36 | 時事・流行・社会問題

NPO「ぽんぽこ」

正式なタイトルは"多摩ニュータウン発 市民ベンチャー NPO「ぽんぽこ」"
富永一夫 著 2000/4/20 発行 NHK出版

著者の富永さんは、NPOフュージョン長池理事。
 
スタジオジブリのアニメ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」には、多摩ニュータウン開発を進める人間達と、そのために住処を失って行く狸達との攻防が描かれていた。自然破壊と先住民の犠牲のもとにあると言ってもいい多摩ニュータウン。新住民としてそれを踏まえた上で、住民同士のコミュニケーションはもとより、既存地域や行政側ともネットワークを作ってうまく融合(フュージョン)し、住民主体の生活環境とを築いて行こうというのが、NPO(特定非営利活動法人)フュージョン長池の活動である。それは正に「ぽんぽこ」その後と言えるのものである。

八王子市にある多摩ニュータウン長池地区は、京王線堀之内駅の近くにあり、ニュータウン内では比較的新しい地域である。そこで新築集合住宅の住民として管理組合の立ち上げに尽力した富永さんは、地域に根ざして生活する事を重視するようになった。やがてその活動が発展し、会社に辞表を出してNPOフュージョン長池を設立することになったのだ。とにかく住民達が熱い!

富永さん達の思いは、オールドニュータウンで少子高齢化に頭を悩ます我々にも、ニュータウンで生きるということを再認識させてくれる。
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by hitokohon | 2002-11-01 20:29 | 時事・流行・社会問題