小説道場

中島梓 著

 『小説道場』は1986年3月からⅠ・Ⅱが新書館より発行された。その後92年8月に改めて『新版・小説道場』として光風社出版から刊行され、97年10月までに全4巻が発行されている。

作家栗本薫でもある著者が、1984年から95年まで、71回に渡って雑誌『JUNE』『小説JUNE』〔(株)マガジン・マガジン 発行 〕誌上に連載した投稿作品評。『JUNE』は、いわゆる女性向けの耽美小説、俗にいう「やおい」系の雑誌で、創刊20年を超える歴史がありますが、一般には馴染みがないかもしれません。

と言うことで、投稿されてくる作品も当然このジャンルのものです。つまり、主に女性読者を対象に女性作家が書く、男性同士の性愛を含む恋愛を軸にした物語なんですね。特殊なジャンルだけに、中島氏が投稿者に度重ねて問いかけるのは、「何故この系統の作品を書かねばならないのか」と言う、書き手の内面への問題意識の確認でした。時としてかなり手厳しい個人批評であり叱咤激励であり、また共感と理解でした。投稿者と中島氏の間の一種の闘いの場であると同時に、中島氏も書いておられたようにセラピーの様にも感じられました。
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by hitokohon | 2002-08-01 22:00 | 文芸・書評
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