2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:10冊/23冊 (前半8/15まで) カブキブ! (3) (角川文庫)の感想 カブキ同好会、みんな一所懸命で楽しそうだ。クロくんが設立を思い立ったカブキ部への道もここまで来たのね、と読者も一緒にワクワク出来るお話だ。新入生歓迎会での部活紹介の舞台、男子体操部との共演と、アクシデントからついに蛯原くんへ協力依頼、クロくん達は真っしぐら! 五人男のセリフは思わず節をつけて音読したくなった。何やら異色の新人さんが入部希望のようで今後が更に楽しみ。次巻は来月末発売予定らしいので、待ち遠しい。 読了日:8月15日 著者:榎田ユウリ カブキブ! 2 (角川文庫)の感想 文化祭へ向けて、カブキ同好会の面々の頑張りが、大変そうだけど楽しそう。クロくんは阿久津くんの扱いが上手くなってたと思います。部長としても成長してます。演劇部のキリコさんも押しの強さだけでない、中々の人物でした。プロの歌舞伎役者である蛯原くんの動向や、阿久津くん母子と歌舞伎の関係、先が気になる展開です。 読了日:8月13日 著者:榎田ユウリ 日本人の知らない日本語2の感想 友人に貰いました。本当に知らない事も多かったです。伝統色名とか殆どわからず。ら抜き言葉・「レ」タス・「サ」イレ言葉の発生について、なるほどでした。干支が中国韓国以外の多くの国にあるというのも知りませんでした。面白かったです。 読了日:8月11日 著者:蛇蔵,海野凪子 昭和元禄落語心中(8) (KCx)の感想 先代助六とみよ吉の事故死の真相って、そういう事だったのか。落語家とし、幼い小夏の親代わりとして、八雲師匠の負ってきたものの重さを思うと、病を得て引退を考える心情がいっそう辛い。与太助六の明るい思いやりに救われる。いい奴だなぁ。そして、落語に興味を持ち、本当のじいじ先代助六に似てくる信ちゃんが可愛い! 彼が八雲師匠の励みになるとよいのだけれど。 読了日:8月9日 著者:雲田はるこ 文藝春秋2015年9月号特装版 (文春ムック)の感想 羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」と復刻芥川追悼号を読みたくて購入。17才で「黒冷水」を書いた羽田さんが30才になって家族をどう描いたのか、読むのが楽しみだった。老人介護という重い現実で家族3人がそれぞれに自己中なのに、何処かで思い合っていて暗くない。職探し中の健斗28才、祖父が望んでいる安楽な死に向けての介護方針と、そこから逆説的に生まれた自身を鍛える姿勢がユニーク。甘える父親を時に罵倒する母、同世代として共感(笑) 止めろと言われても娘を「お母さん」と呼ぶ愚痴老人の祖父も何だか可愛い。 読了日:8月9日 著者: 或阿呆の一生の感想 文學界掲載の又吉さん「芥川龍之介への手紙」に、この作品の「火花」が引用されていたので再読。芥川読むの何年ぶりだろう。彼の作品には日本の古典を題材にしたり、中国を舞台にしたものも多いのに、影響を受けたのは海外の作品なのだな。そこに大正という時代を感じた。他者を軽蔑し、更にそんな自分を軽蔑して阿呆という「彼」。公言できない本音を偽悪的に語るニヒリズムに若い時は惹かれた。そのわりに家族を顧みず放蕩したり逃避したりは出来ず、自分を追い詰める優等生の「彼」。阿呆に成り切れなかったから辛かったのかもしれない。 読了日:8月8日 著者:芥川竜之介 下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ (集英社オレンジ文庫)の感想 亡き祖母が蔵に残したいわく付きの着物を巡る物語の続編。前巻は着物の話だけだったが、今回表題作は古物商である良鷹が関わったお蔵所蔵以外のアンティーク物の話。ちょっと驚きの結末だったが、アンティークに心を残した人々に歴史あり、あの時代だったから起こってしまった悲しい出来事と、今に伝わる思い、いいお話だった。 読了日:8月8日 著者:白川紺子 下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)の感想 ナツイチで知ったこのシリーズ、お蔵のアンティーク着物にまつわる謎解きに心惹かれて読んでみたが、古典も絡んで面白かった。若いのに着物を着こなす鹿乃ちゃん、物語をテーマにコーディネート出来るなんて素敵。これから始まりそうな恋の行方も気になるし、続きも楽しみ。 読了日:8月6日 著者:白川紺子 鍵のない夢を見る (文春文庫)の感想 「仁志野町の泥棒」「石蕗南地区の放火」「美弥谷団地の逃亡者」「芹葉大学の夢と殺人」「君本家の誘拐」。堅実に普通に生きているように見える女性たちの心に潜む、エゴや不安から生じるいびつな欲望。犯罪への奇妙な親和性がちょっと恐ろしい短編集。同郷の林真理子さんとの直木賞受賞記念対談も収録されている。 読了日:8月3日 著者:辻村深月 五重塔の感想 イベント「タイムスリップ!課題図書~」で高校時代以来の再読。職人として技と名を残したい十兵衛の思いだけが印象に残っていたが、それに加え源太親方の人間的な逡巡と男気、二人の職人としての意地と矜持のぶつかり合いが、心に響くのだとわかった。それぞれに夫を思う女房たちの姿や他の職人たち、上人様の態度やお言葉など、人情の機微がまた良い。記憶していたより文語調であったが、登場人物の心の有り様を流れる様に物語っているので、難しい文章とは記憶に残らなかったのだと思う。 読了日:8月2日 著者:幸田露伴 読書メーター
by hitokohon
| 2015-09-01 19:25
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